2014-02-01から1ヶ月間の記事一覧

まるまる

どうして、感謝を示す挨拶は「ありがとう」しかないんだろうか 寝てると、ここのところ、気づかないようにして、 すーっと通りすぎてきた、ありがた~い出来事が 山のようになって押し寄せてきて、あーー、とうつぶせて バタバタしてしまったりして、なんか…

流れる

風が吹いていると安心する。もっと吹いていてほしい 強い風がバキバキ音を立てて枝を揺らしてくのを聞いていると、ぞくぞくする 長野にいたころは、人のいない、静かな2階にあがって、 畳のうえに寝そべりながら、裏山の木々が荒れるのを目を閉じてきいてた…

安全神話

どうしてかふやけてしまいそうな日々が続く就職活動しなくては、と思って就職支援サイトをのぞきに行ったはずなのに、つるつると明るい言葉の羅列を見ていると3秒くらいでうんざりしてしまって、気づいたら書道教室のホームページとか、見ている大事なんだ…

冬のなごり

わたしに春を教えてくれるのはいつも、桃色ではなくて黄色だ。 雪の重みに崩れそうになりながら咲く、山吹の花を見ていたら、ふいにそう思った。 実家の近くの土手に咲く黄色い花。あの花の名前をずっと、知らずにいたっけ。 花の名前というのは不思議で、覚…

忘れたふりをしているだけ

長引いていく食事や深夜の電話、ふいに届く手紙、eメール これが最後かもしれないと思ってひとの話を聞いているから どんなに一緒にいても深刻になるばかりでよくない いつからこんなふうになったんだろうか 忘れないでね、とよく言われる わたしのこと、ぼ…

嘘つき

なにをしても生きているふりのようになってしまう日だ 寒いからって眠りすぎた。それにしても雪がいっぱいふったね 真新しい雪のうえに雨がざばざばふっているのを見た友人が、 「世紀末みたいだった」って言っていた。世界の終わりかあ 最期に見る風景が雪…

少女なんかじゃない

リリイ・シュシュのすべて、という暗い映画を見ていたら、 中学や高校のときのことを思い出して、驚いた。 忘れてしまっていることの多さに驚く。 こんなにあっさりとすべて忘れてしまえるんだね。 もう2度と見ないだろうけど、映画を見たっていう手応えが…

気配

きれいなノートを買うと、字がうまくなりたいと思う 唄と字の稽古をしたいなぁとこのごろよく思う。生身の言葉の稽古 大学で、できたらいいのに 美大じゃない大学には習字の授業があると聞いて、うらやましくなった 贅沢は言わない、レタリングみたいな可愛…

隠しごと

あたらしい日記帳を買いにいかなくちゃ 中学校のころから、すこし上等なノートを買ってみては、気まぐれに 下手な芝居の台詞みたいな、おかしな言葉のメモをしていた 最近になってやっと、日記と呼べるようなものが毎夜書けるようになった どちらかというと…

若者たち

わたしは若いことを特別すてきなこととは思っていなくて むしろよく行く喫茶店の女主人の、 透き通るような白い髪にみとれてるくらいなんだけど 最近ぺんぎんの着ぐるみの件でよく会う友人は 身軽なままおしゃれになれる子で いっしょにいると、若いことがと…

まぶしくてさびしい

どうして美術大学だったの、と聞かれて、 へんな学校に行けばへんなひとになれるでしょう、 へんなひとになればへんな文章が書けると思ったんです、 と言うと、あなたはへんなひとだよ、と言われた それがふしぎとほめるような響きだから言葉をなくす 才能と…

カレーライス

いくらつくってもカレーをつくるのは楽しい。 ふつうのバーモントカレーですが。 今の時期は新じゃがと新たまでつくれるから余計、いいんだ。 今日はこれから、ぺんぎんの写真集に添える文章を考えるよ。 友人の頼みでね。たのしみ。 文章を書くことはもう習…

雪化粧

やっと雪が降ったから、用もないのにはしゃいでバスに乗った。 最近はバスに乗るのに飽きてしまっていたのだけど、雪景色はいい。 毎時毎秒、すがたを変えていくから、いつまでだって見ていたいと思うよ。 さっき手を、積もった雪にひっかけてしまったときに…

悪癖

ため息をつくのは、幸せが逃げたせいじゃない。 急に春めいた空気に居心地がわるくなる。 べつに春はきらいじゃないけど、今年はまだ一度も雪を見ていないから、 このまま冬が終わってしまったら、 もう2度と冬のうつくしさを思いだせなくなるような気がし…