2016-04-01から1ヶ月間の記事一覧

ホワイトハウス

もう全然、喫茶の仕事に行きたくなかった。前回、誤解があって手ひどく怒られ嫌われた先輩のことを思い出して。謝ってもらったはいいけれど、まだ仕事は完璧にできないだろうし、また機嫌をそこねてしまったらと思うと怖かった。何より気まずかった。「やら…

火事

ぼうっとしていたらロウソクが倒れて燭台が燃えていたので、玄米茶で消火した。わたしが電球を付け替えるのが先か、家が燃えるのが先かという話になってきた。生きるって命がけだな。電気屋に行きたくない。そもそもこのアパートの照明のことをたいして好き…

花束

母の日におくる花束のお金を払った。銀行にふりこんでいいとのことだったけど、近所なので直接お店で支払おうと思って、花屋に行った。そうしたら、「せっかくだから今、メッセージを書きますか?」と提案してくれたのだった。すごく照れくさかったのだけど…

つめたい雨のなかを歌いながら歩いていく

落ちこみをお腹のすみに残したまま、静岡の友人と遊びに行った。あとからあとから愚痴があふれてしまって申し訳ないなと思っていた。そうしたらその子が帰り際、CDをプレゼントしてくれた。びっくりした。焼いてくれたのだ。手作りのブックレットを開くと、…

狭い体

あやふやなものを受けとりすぎている。悪意も善意もほんとはなくって、みんなただ本能に反応して生きているだけなのかもしれない。そうであるとしたら、人となかよくするってことはほんとうに難しくて、でもほんとうはずっと単純なことだ。あなたにやさしく…

ミトン

チェコのアニメーションをながめていた。授業の資料をつくるために。先生からもらったアルバイトに、やっと手をつけられると思ったのだけど、起きたときから体温が高くて、頭がぼうっとしてしまう。それでも、なんとか真新しいビデオデッキを箱から取り出し…

こころの平らなところ

母の日に贈る花を注文した。そんなことをするのはうまれてはじめてで、すこし不安だ。でも、やりたいと思ったときにやる、ということを今までも大事にしてきたから、贈ろうと思う。なんでいきなりそんなことをしようと思ったのかって、たぶんカーネーション…

さち

家の裏山にはえていた、たらの芽のことを考えている。今頃すくすくと育って、収穫するのにちょうどいい大きさなのではないか。たらの芽、食べるのは嫌いだけど、あれを指先でコロンともぎとるときの感触がすきだった。はやくしないと、鹿がたべちゃうよ。お…

トーストとオムレツ

ねむけの熱が全身にひろがっていくときの、はてしない安らかさ。電車のなかでうごけなくなるあの感じ。あの感じをずっと体にもてあましていたい。たとえば降りる駅がわからなくなっても。スヌーズ機能のスヌーズが「うたたね」って意味だとインターネットで…

花も団子も

花見をした。葉桜だったけど。春の空気を思いきり吸いこめたのが、なんだかひさしぶりだったから、それだけですこしうれしかった。シートの上に団子とからあげを並べて、ボートに乗って、みんなでセブンティーンアイスを食べながら帰った。ぜんぜん風流じゃ…

春は嘘

あたらしい植物の、芽の黄みどり色が可愛い。友人達とお花見の約束をしたから、いよいよ春ってかんじだけど、夜がさむくって、昼がうそみたい。 一週間前にもらってた給与明細をさっき見たら、思ってた以上にお金が入っててびっくりした。ずっとなんのために…