2015-11-01から1ヶ月間の記事一覧

他人の君

もう他人になってしまったかもしれない、いつか、自分をすきだと言ってくれた人たちのことを考えてみる。たくさんの、表情や言葉のことを、忘れてしまわないうちに、指先で撫でるように引っかけ、拾いあつめてみる。いつも、居心地のわるそうな笑顔で、受け…

5時

霧につつまれていたいから今日は学校 サボってロンドン 行こうかとか 思っていたあの朝の霧とこれはおんなじ霧だと思う 眠るためではなく見たものを覚えるため 瞼をおろすときの厳粛なスローモーションにも似た夕方の けはい一生のうちでかぎられた数少ない …

あたらしい音楽

カーキ色のコートに袖を通す。なんだか軍服みたいで似合わないな。そういう服を着るのも、たまにはいいけど。なんとなく、反抗的なきもちだ。休日の夜は漢字練習を2ページもできるので安らいでいる。勉強中に流す音楽はいつもクラシックにしていたのだけど…

ひとかたまりの毛糸

赤いセーターのほつれをすこしずつ、すこしずつほどいていくような一年だったかもしれない。ふとした夜、ぱらぱらと降る秋の雨を見つめながらそう思った。一着のセーターを台無しにしても、セーターが何からできているのか、一本の線になったとき、赤色がど…

事件じゃない

今日は一年越しの約束を果たせてよかった。やっと、学生の子に本を渡せた。すごく待たせてしまったのに、ほんとうにニコニコと受けとってくれて、言葉をつくして「うれしい」と言ってくれて、よかった。彼女達も何かをつくっているからだろうか、やさしいな…

半透明

仕事で梨を20個むいた。むいてもむいても終わらなくてびっくりした。ちょっとしたドッキリだったんだけど、たのしい時間だったな。すごく喜んでくれたらしいんだけど、パーティーの場に残れなくて、あれ?終わったのか、とすこし寂しくなったり。みんなが…

石の味

今週のお題「愛用しているもの」 寝る前に石を転がして遊んでいる。ホタル石や瑪瑙、名前を忘れた、ひかりの加減で光る石たち。鉱石が好きだ。アクセサリーショップで売っている、指輪についた小さな石、何カラットだか知らないそれよりも、随分と安上がりで…