隠しごと
あたらしい日記帳を買いにいかなくちゃ
中学校のころから、すこし上等なノートを買ってみては、気まぐれに
下手な芝居の台詞みたいな、おかしな言葉のメモをしていた
最近になってやっと、日記と呼べるようなものが毎夜書けるようになった
どちらかというと、うれしいことだと思う
今まではpaper blanksというところの、
上品で豪奢なノートが好きで、それを3年くらいかけてつかっていたけど、
最近は随分と背伸びしないで言葉をつかえるようになったから、
生身の感情をうけとめてくれるような、気安いやわらかなノートがほしい
歩きながら携帯に打つものや、
喫茶店の隅にすわって、鉛筆でスケジュール帳などに書き留めたもの、
そういったものをまとめて活字にしたものを詩と呼んで、
上等なノートに汚い字で書く、出来事や感情の箇条書きを日記と呼んでいる
どっちも欠かせない習慣みたいになって、わたしを生活させてくれている
あ。こういった日記は、誰にも見せないでいつか燃やそうと思っているから、
見せてとか、言わないでね
そういうことを言われると、とても怖くて、家に呼べなくなってしまう
秘密はできるだけ多いほうがいい
打ち明けるのが楽しいから
あと、あたらしい便せんも買いに行こう
10年間ほど文通をしている友人がいて、この前の雪の晩、
誕生日にもらったレターセットをつかって、手紙を書いた
封筒は残っているのだけど、文章を書くほうの用紙をほとんど使い切ってしまった
今回は、やさしくて淡いクリームいろのレターセットだったから、
つぎは色をたっぷりつかったものを使ってもいいかもしれない
もしくは、封筒に似合いのものをさがしに行こうかな
紙のものを買いに行くために出かけるのは、なんだかそれじたいがとても贅沢な気がして、いい