2016-01-01から1ヶ月間の記事一覧

あの日、生きていた

やっと詩集を求めてくれた人のところへ発送できた。日にちの指定があり、なんでだろうと思いつつ連絡をしたら「今日が誕生日なので、自分へのプレゼントにしたかった」と。そんなの作者冥利につきる、というやつなのではないですか。泣けてくる。ひさしぶり…

オリーブオイルはダメ

自転車を漕ぐと、キシキシとみょうな音がする。さびているのであれば油をさせばいい、と友人から助言をうけたのだが、オリーブオイルしか持っていない。ものは試しだと思い、オリーブオイルをかけてみる。なんの効果もない。駐輪場がオーガニックな香りで満…

てのひらに風をあてて歩く

寒いけど、髪はひとつに結んでいたい。赤いマフラーを巻いて出かけることにした。一昨年に母が送ってくれたきり、一度もつかったことのない、ユニクロのマフラー。赤なんて、制服のスカーフ以外に身につけたこともない色だった。そもそも、マフラーを巻いた…

つづく

読みかけの本に載っている詩の最後に、「まだ死なないのかと思いながら歩いている」とあり、ニヤリとした。そういうセンスがまだないので、シニカルな言葉を読むのが好きである。つかのまの休みになり、夜はずっと短歌と格闘しているけど、なかなか終わらな…

しずかな穴

ギャラリーに行こうと思ったのだが、道に迷って行けなかった。住宅街、怖い。生活に拒まれている気配がする。帰りに、やけになって古本屋で本を4冊も買ってしまったし、ちょっといいコーヒーを飲んでしまった。おいしかった。たまに、からっぽの自分に何か…

安い休み

モスバーガーでアイスコーヒーを飲んでいるとき、雪にはじかれて目にはいる昼のひかりが、やけに綺麗だと思った。店内は客もまばらで、どこかで聞いたことのある洋楽が流れていた。そのとき、わたしの舌はアイスコーヒーの苦みを、たぶんはじめて受け入れた…

しかし、愛でもある

このごろ、家に帰ると3月9日を聴いて、泣きながら短歌を編集している。とてつもない消耗だ。しかし、愛でもある。短歌を書いていると、毎日が最終回みたいに優しい。この本は大事な本になるかもしれない。たぶん、そんなに長くはならないはずだ。きっと読…

冬と光

さて、東京だ。西武線のホームに立ったときに、「帰ってきたな」と思った。長野の丘に立ったときも、そう思った。はて、わたしの故郷はどこにあるのか。ほとんど徹夜明けですごすバス移動の3時間は、高速道路を挟む山並みを見るのがおもしろくて眠れなかっ…

あけていく

年の瀬というのは、いつからいつまでなんだろうか、とふと疑問に思って調べてみた。 とし‐の‐せ【年の瀬】 年の暮れ。年末。《季 冬》――goo国語辞典 ぼんやりしているなあ。でも、そんなところもすきだ。 新しい気分になるのがなんだか嫌で、ぼうっとストー…