花を飾ろう

 癒されようと思って、白いガーベラを一本だけ買って帰った。友人からもらった一輪挿しに活けて寝た。すこし長い茎が、夜まではへなへなと曲がっていたのに、朝になると天から吊られているようにピンと伸びていた。しゃんとしろと言われているみたいで、うれしかった。背筋を伸ばして、きちんと人と向き合いたい。わたしはけっこう、だらしない人間なので、そういったことをひとつひとつ確かめていかないと、すぐに忘れてしまうんだ。ところで、朝になるとトランペットの音階練習が聞こえる。このあたりにはパズウが住んでいるんだろうか。