愛してみたいが時間がない

笑えるよな。数日前の自分にもう裏切られてる。時間がたてば忘れられるだろうと高をくくっていたことは、たいてい時間がたてばたつほど忘れられなくなることばっかりだ。声をあげたい。それからどうせとり戻したくなるだけでも。駅のホームに人があふれている。なんでだ。中央線が遅延しているのか。駅のホームに人があふれていく。いいさ。電車を待つのなんかやめて、おっちゃんのやってる小さな店で、たまごサンドを食べて帰るよ。(こっちはいつだって急いでなんかいないんだ。)

わたしが痺れるほど気になることは、たいていきみ達にはどうでもいいことばっかりさ。だからって気にしない。それから、いつかとり返しがつかなくなるわけだけど。急かされるのは嫌いなんだ。でも、徹夜明けの、スカイブルーみたいに綺麗なかなしみに、包まれてしまったらもうおしまいなんだ。わかるかな。

ほしかった情報が水族館の魚みたいに通りすぎていく。目があわせられない。魚の目は逃げることができないから嫌いだ。わたしを見つけるのはいつもきみが先。目をそらすのはいつもわたしが先。本当はとっくに負けている話。