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忘れたふりをしているだけ

長引いていく食事や深夜の電話、ふいに届く手紙、eメール

これが最後かもしれないと思ってひとの話を聞いているから

どんなに一緒にいても深刻になるばかりでよくない

いつからこんなふうになったんだろうか

 

忘れないでね、とよく言われる

わたしのこと、ぼくのこと、忘れないでね

いろんなことを喋りすぎるせいで不安にさせている

自覚があるけど、やめ方がわからない

わからないから、思うだけ

 

忘れられるわけがないじゃないか、って

 

 

またいつか会いましょうっていう、

約束だけが確かなことで、それ以外は何もわからない

何も確信できていない

でもその約束ひとつでわたしはなんでもできる

 

きみ達の愚痴はいつも、自分はだめだから、から始まる

だめなんかじゃないよ、と返す

つらい、泣きたい、死にたい、まるで不幸になりたいようなことばかり言う

ばかだなあ、この前も同じこと言ってたね、へんなの、でも、

それが心からの言葉ならいつだっていつまでだって聞いてやりたい

けど、ものごとには潮時というものがあって、時間にはかぎりがある

だから、また会おうねと言って別れる、わたしにも死にたい夜はくる

 

達者でやりましょう、お互いに

もたれあっていれば倒れずにいられるだろうけど、歩くことはできない

 

 

誰も何も、まちがえてなんかいないのに、

どうしてただ平凡に生きるだけではだめなんだろう

立ち止まってしまうんだろう