花も団子も

花見をした。葉桜だったけど。春の空気を思いきり吸いこめたのが、なんだかひさしぶりだったから、それだけですこしうれしかった。シートの上に団子とからあげを並べて、ボートに乗って、みんなでセブンティーンアイスを食べながら帰った。ぜんぜん風流じゃない花見だったけど、なんだかそれでいいと思えた。

昨夜、住宅街を後輩と歩いていたら、ギターの音色が聞こえて。思わず、「可愛いひとがいるんだねぇ」とつぶやいたら、「男性だったら天然の人たらしですよ」と言われてしまった。それがなんだか不意打ちだったのでびっくりした。どういう意味だったのだろう。あんまり女性らしくないからな。女性らしさとか、女性としてとか、よくわからない。そんなことよりも、人間としてあることのほうが大事なのだ。ほら、悪魔だからさ。


きみが幸せであることだって、大事なんだよ。「こうでなくてはいけない」なんてことは、世の中にひとつもないんだ。それなのに、人は進んで縛られる。平均をとろうとする。それがなんだかもどかしい。呪いだな、と思う。きみの呪いをとかなきゃいけない。自分を縛るのはただひとり、自分でなくてはいけない。