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モネと同じ朝

モネの印象・日の出は、「日の出」と題されているにも関わらず、ずっと夕陽だと思っていた。あのぼんやりとした赤色を、日の出として見れないのは、日本の朝しか知らないせいなんだろうか。そもそも、日の出ということばにあまり親しみがもてないのかもしれない。明け方とか夜明け、ではだめだったのかな。19時過ぎの美術館は思っていたより人が多くて、あんまり長居をしなかった。それでも幼少期のカリカチュア(風刺画をそう呼ぶらしい)とか、晩年のぐちゃぐちゃな色彩、まだ見たことのないものを見れたのは発見だったけど。

モネの絵を見るには、あまり見すぎないように距離をとらないといけないから難しい。遠くから細目で見るくらいじゃないと、全体がとらえられない。あと、思い出が少ないときは、何が言いたいのかよくわからないかもしれないと思った。わたしは宗教画などを見ると、もう情報量が多すぎて疲れてしまうのだけど、かっちりと描き込まれた絵のほうが、リラックスして見れる人は多いんだろうな。いろいろ見たけど、結局覚えているのは日の出だ。見せ方がずるかった。あんな光で見せられたらそれは立ち止まってしまうはずだと思う。シヴェルニーの港に行って、モネと同じ朝を見てみたいような気がする。

昨日、大学の友人とダンサーインザダークという映画を見た。鬱映画だけど名作だよと以前人にすすめてもらって、でも怖くてひとりでは見れなかったのだった。思っていた以上に処刑シーンの追い打ちが容赦なくて、泣きそうになった。でもやっぱり唄とダンスがよかったので、わたしも名作だと思った。日の出もそうだけれど、こういうのは誰かに「名作だ」と言われてしまうと、同じ感想をもちたいと思って見てしまう癖があるのでそれがすこしよくない。でもさ、工場と裁判所のミュージカルなんて、やってた人たち楽しかっただろうなって、そう思ったよ。