あの青

SNSにクリームソーダの写真がいっぱいあがっていてうらやましい。わたしも飲みたいな。この前、出かけたとき、いつもクリームソーダばかり頼んでいるねえと言われてはじめて気づいた。どしゃ降りのなかコメダ珈琲店に行ったときもそうだった。クリームソーダは、アイスを食べてるうちにどんどんアイスが溶けていって、あの綺麗な緑(あるいは青)がうすぼんやりと白けていってしまうのがイヤだよね、味も何が言いたいのかわかんないし。でも好き。だって綺麗だから。綺麗なものを食べれるなんて。とても素敵なことだから。

学生時代、教授に借りパクされて二度と読めないと思ってた本、友達が持ってて貸してくれた。二度とかえってこないかもしれないのに、人に本を貸したくなるのはなぜだろう。やっぱり今度、かえしてくださいって言おうかな。それを口実に、近況報告でもしたらたのしいかもしれない。

海の日って何をしたらいいのかわからない。海のない町で育ったから、海にはいい感情しかもっていなくて、まるで喋ったことのないあこがれの人のようだ。父の運転で海へとむかう高速道路。あの情景を思い出す。海の町の景色。窓から入ってくる風。潮のにおい。がさついたラジオ。母の伸びをする声、弟たちがゲームをしている効果音。海だ。白い建物の切れ間にのぞく水平線。あの青。わたしのあこがれ。