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ハレの日

肌にじっとりとのしかかってくるくる湿気は、もう夏の予感そのもので、疲れきったように目を細める。早く梅雨にならないかなあって職場で言ったら驚かれた。梅雨が好きなの? 雨が得意なんです。えー? あはは。

職場では、1万円ぶんの100円玉を数えたり、カメラからフィルムを出す方法がわからなくて困ったりする。ずっとmacにさわっている日もあれば、延々と麦茶と珈琲をつくりつづける日もある。お茶を出すときに、教授にも雨の話をした。天気を話題にすることを、なるべくやめたいって思うのに、つい口をついて出てしまう。まあいいか。そのひとは釣りが趣味らしく、小雨の日のほうが魚がよく釣れる、という話をしてくれた。雨つぶが水面を揺らすことや、陽が翳っていることによって、危険に鈍感になっているんでしょうか、というようなことを思いついて言うと、ぼくもよくわからないけど、たしかにそういうことはあると思うよ、と言われた。