エメラルドグリーン

五月が好きだ
窓を開けた瞬間、前髪をさらっていく風がたまらない
こまぎれの光がコンクリートをちかちか照らしているだけで
うれしくて涙腺がゆるむのは
疲れているせいかもしれないけど


空気が抜けているのはいつだって同じだし
こんな素晴らしい晴れた日に
うなだれている場合じゃない


あれから、喫茶店に行っていなくて
貸してもらった傘を返せていないから
今日こそ返しに行こうかと思ったのに
お礼に持って行くものが思いつかなくて引き返してしまった
お花をあげたいと思ったけど
どうせなら、とっておきの花屋で選びたい、なんて思うから
また時間がかかってしまう


昼間は、いい天気だったなあ
いつだって、五月の晴れ間のような
まぶしい緑色の気分でいたいね
退屈も憂うつも、全部ほっぽりだして
手ぶらで歩き出せるような
身軽さで