焼きそばとプリン

UFOって食べたことないな と思ってスーパーでかごに入れる。亡くなった祖母の得意料理が焼きそばだったので、焼きそばといえば手作り料理だった。だから「焼きそばの湯切りで失敗する」というカップ焼きそばあるある にいつもついていけなかった。のだけど、昨年はじめてペヤングを買って食べてみた。はじめてのペヤングは、味がすごいスピードで脳に届いてく感じがして衝撃を受けた。なんていうか、お腹いっぱいに食べてもいい駄菓子みたいでおいしい。いろんな粉が入ってる味する! その頃ちょうどすべてに無気力な時期だったから、しばらくペヤングにハマった。当時のことを思い出しながらお昼にUFOを食べてみたけど、ソースがちょっと多かった。なお、湯切りは今のところ全部成功してしまっている。

元々食わず嫌いが多いせいで人と食事することがきらいだった。運が悪いと、嫌いなものを強要されるからだ。だからか、自分でやる料理も好きじゃなかったのだけど、最近になって夜中に突然プリンが食べたくなってつくってみたりしている。ふしぎなことだ。カラメルソースがずっと茶色くならなくて、思ってたのとは違うプリンになった。(透明な甘い汁になった)でも自分のためにつくるお菓子は自分のためにちょっといい洋服を選ぶみたいに、気楽にたのしい。じっくり向き合えば、風のつよい晴れた日、上着選びに成功したような、いい気分になれる。こんな風に嫌だったはずのことがたのしみになっていく自分がいつも信じられないけど、これくらいの裏切りは二十数回目の春にはちょうどいいはずだ。