線になる夜
夜景って 星のことだと思ってた
街の光をきれいだと思ったことなんて なかったから
違いのわからない いくつものまぶしい点を
写真に撮ろうとしているきみのこと
何ひとつわからなかったけど
ふたつの人影が黒いガラスにうつっているのは
そんなにわるくなかったよ
果たされないことがあまりにも多いから
僕たち 約束をするのかもしれないね
現在はどこまでも限られない丘のよう
こんな広すぎる大きな夜に
いったい何を喋ればいいのかわからない
それでも僕たちは
がたついた一本の線のように
遠くから見ればほとんど何も変わらないのだろう