わたし達はずっと気づきたかった

一日を始めるためには
やわらかい水がてのひらに一杯あれば
それで充分

てらいなく
ほしがること
無闇になげかないこと
それさえ気をつけていれば
いつまでも傷ついている
気弱な子どもにならずに済む

顔に水をください
四半世紀生きてきた
この顔に一杯の水を
ぶつけてください
思いっきり。

水の効力が弱まる昼過ぎ
強い頭痛におそわれ
ああ ガーベラが枯れたな と思った
それはただの勘だったけれど
部屋についたら本当にそうだったので
あながち勘もあなどれない

ありがとう
今まで
やさしくしてくれて
無意識につぶやく
誰にともなく
とも言えるし
誰彼かまわず
と言うことだってできる
そんな温度で

切り花が枯れるとき
いつもさよならの詩を思い出すのだ
この身に一本の
背骨のありかを気づかせる
さみしくて強いことば

花に嵐のたとえもあるさ
さよならだけが人生だ