春とアルコール

前を歩く人が上を向いているから、つられて見上げたら桜が咲いてる。なんてことが春には当たり前のように起きて、ロマンチックだ。そんな風に思うのは今お酒が入ってるせいかもしれないけど。あ〜。お酒っていいもんだな〜。

浅草にお花見に行った。浅草寺の付近をぶらぶらしながら桜の写真を撮る、という行為をお花見と呼んでるだけなんだけど。楽しかったな。無職だから自粛しようと思ってたんだけど、先輩に言われるがまま遊んでしまったなあ。値のはるおいしい天丼を食べ、クリームソーダを飲み、お酒を飲んだ。気をつかってくれているのかたくさんおごってもらってしまった。就職が決まったら何かごちそうしてよと言われた。そのときは「あはは〜」と笑い飛ばしてしまったけれど、たしかに何か返せるなら返したいなあ。なかなか自分から人に声をかけにくい状況なだけに、誘ってくれる人の存在がありがたいのだった。

神谷バーという昔ながらの大衆居酒屋に行ったのだけど、社会人が多いからか、音が元気で渋かった。今までいかにも会社員みたいな人は苦手だったのだけど、仕事帰りにこういうお店で盛り上がる社会人生活って、味があってうらやましいなと思えた。女の人しかいないテーブルで飲んでたら、可愛いおじいちゃんにナンパされた。「素敵な笑顔の人たちだなと思って!」年上の女性が「若いうちはこういうのがたくさん寄ってくるから、気をつけなくちゃだめよ!」と言い放った。みんなで笑った。

前々から、本で読み、気になっていた「電氣ブラン」をはじめて飲んでみた。普段梅酒しか飲まない身からすると、アルコールの味がして、舌がびりっと痺れた。春の味だ。次はなにかのお祝いに、できれば次のすみかが決まったお祝いに、飲みにきたい。