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水色の生活

 部屋が花束であふれかえっている。どれも大学の送別会でもらったものばかりだ。ミュージシャンじゃない人生でも、こういうことって起きるんだあ。と朝、起きるたびに思う。わたしは働くだけで精一杯だったのに、こんなにやさしくしてもらって、ほんとうによかったんだろうか。薔薇もダリヤもスイートピーも、名前のわからない白い小さな花も、枯れないうちにちゃんと見ておかなくっちゃ。

 言い残したことがほんとうはたくさんあるんだけど、みんなの笑顔とか、ありがとうって言葉とか、春のあったかい気候とか、そんなものに反射してつい「よかったね〜」って言っちゃいそうになるんだ。でも、いいよね。今は、この水色の空にごまかされていたい。