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雨がくる

奥歯をかみしめたら親不知が痛かった。バスのなか、どんよりと塞がっていく空をあおぐ。わたしのすきな季節の予感がする。青色の紫陽花を買って帰る。大学に寄ると、みんなつかれている。行事のはじまる直前のさわがしさ。いいこともわるいこともあるだろう。でも、まあ死にはしないから大丈夫。

きょうは生活に必要なものを買いに行った。ひさしぶりに好きな古本屋と喫茶店をはしごして、こころがすこし落ちついた。はじめて本屋さんに話しかけられて、ちょっとびっくりした。人間に興味のなさそうな人だと思っていたんだけどな。「若い人はまだ詩集を読むかな? 古い時代の人の詩集が、まだ家にいっぱいあるんだ」と聞かれて、「時代とかじゃなくって、おもしろいものならなんでも読むんです」と言った。それはわたしが心から信じたいことでもあった。