あつくはないし、ぬるくもない

このごろ「じゃあね」と手をふるときに一瞬さみしい。以前は、「去り際がいちばん元気だね」と言われていたのだけど。(あのころは、最後くらい明るい印象のほうがいいかなと思ってわざとそうしていた。)いいことかわるいことかわからないけど、人といたい、と思えるときはすこし生活が豊かになった気になるから、いいぞいいぞって思ってる。もう喋りたいことは喋ったけど、なんか名残惜しいときの気分。それは飲み物がおいしかったときのきもちに似ている。熱すぎずぬるすぎない、適度な飲み物。わたしは猫舌なので、あったかいものをおいしくいただける時間が限られている。

病み上がり、あるいは病み途中のふたりでレンコンをおつまみにお酒をのんだ。交互にくしゃみをしていた。昨日は大学の同期数人で、ごはんをつくって食べた。カボチャのスープに、大根のみぞれ煮、じゃこのパスタ、パプリカとたまねぎのマリネ、きんかんのパウンドケーキ。いっぱい、食べたなあ。風邪、なおりそう。最近よく食べて、飲んでいるな。なれないことをしているはずなのに、あまりきもちにムリがない。たぶん今の職場で働いていなければ、こんなわたしにはならなかった。人生は一度しかないから、比べることができないけれど、それを、その選択をわたしは財産だって思っている。だって、自分できめたから。