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冬と光

さて、東京だ。西武線のホームに立ったときに、「帰ってきたな」と思った。長野の丘に立ったときも、そう思った。はて、わたしの故郷はどこにあるのか。ほとんど徹夜明けですごすバス移動の3時間は、高速道路を挟む山並みを見るのがおもしろくて眠れなかった。ぎざぎざの稜線が、どんな手のこんだイラストよりも情報量をもって目にうったえかけてくる。情報量。イラストを見るときの喜びは一本の線の雄弁さにあると思っている。いいなあ。山はうつくしいなあ。いつか、ぜんぶがどうでもよくなったら、わたしは絶対に山に帰ってくるどうぶつになりたい。

1月3日の朝をむかえる小平の町はなんだか輝かしくて、目がかすむ。ひさしぶりの冬の空気にあてられたのだろうか。すこしこの町のことが好きになってしまったのだった。やれやれだ。ふらりと入ったツタヤには様子のおかしいおじさんしかいないし、やっと借りれたDVDはなぜかパソコンで再生できなかった。でもべつにいいと思ってる、おめでたいんだ。