ひとかたまりの毛糸

赤いセーターのほつれをすこしずつ、すこしずつほどいていくような一年だったかもしれない。ふとした夜、ぱらぱらと降る秋の雨を見つめながらそう思った。一着のセーターを台無しにしても、セーターが何からできているのか、一本の線になったとき、赤色がどんな意味をもつのかを知りたかった。それはじれったく、豊かだった。そんな一年だったのだ。

いろいろと進路について迷っていた。自分の問題に、ひとつの答えがでてほっとしている。もちろんわたしが出しただけの答えで、これから報告をしていかないといけないのだけど、ひとまずは納得した。わたしはこの場所が好きだと思う。

もっと役に立てたらいいのになあ。そんなことをもう繰り返し何度も何度も思うけど、いったいいつになったらこのきもちはなくなるんだろう。役に立つ って、なに。なにか教えてあげられることがないだろうか。手伝えることがないだろうか。こんな何も知らない自分で? なんて繰り返しで。自分を責めたいきもちは尽きない。困ってばかりいる。でもこんなわたしでも望んでくれる人がいる。だからこの環境が、すこしくらいわたしを困らせてくれても、もういいんだ。