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夕焼けのにおい

ケムリのにおいが街に充満していて、朝なのに夕暮れみたいな気持ちになった。秋独特のこのにおいのことを、夕焼けのにおいなのかもしれないって、ずっと思っていたな。喉が痛い。かなしみのせいかもしれない。でも、仕事に行って、おはようございますというときにはもう、顔が笑っているから、気のせいかもしれない。

さまざまな感情を微分しようとすると、生活に支障がでる。仕事上のやさしさというものを持てなくなる。親切を大多数の人々にふりわけなくてはいけない場合、わたしのなかの愛は家の庭にそっと埋めておく。ここに置いておくから、夕方になったら、誰か掘り起こして。

いろんなことを上手く言わないといけなくて消耗する。いけなくないのかな。とびきりえらくなって、みんなに優しくして、社会なんか振り回してやりたいよ。身分制度は日本からなくなったって言うけど、仕事にも学校にも身分はあるじゃんね。それを気兼ねなく乗り越えるひとびとが居るだけで。はっきりとした階級じゃないから、個人的な考え方の違いによって不本意に傷つけあったりもするしさ。ばかみたい。貴族になるしかないのかな。