憂鬱

学生のころ、論理学という講義をとっていた。勉強したくなくて、テストを受けるかわりに絵を提出したことがある。単位をひとつ落としたなと思いながら、ダメもとで提出したら、単位がとれていたうえ、評価が優だった。美大の先生達は、寛容だなと思った。たまに思い出して恥ずかしいなと思ったものだけど、そのときの絵を、先生が今でも家に飾っているらしいと、この前、人づてに聞きとてもうれしかった。今ではもう違う先生がその講義をやっているのだけど、大学にはいらしているらしいので、また何か作品を見てもらえたらいいなと思う。

どうせ忘れているだろう、というていで人に会うけど、思っていたより顔と名前を覚えられている。今日は初対面のときから数えて半年ぶりに会った先生に、開口一番「詩人!」と呼ばれ、おどろいた。尊敬している詩人なんか大していないのに、詩人と呼ばれると、めっそうもないと思うのはなぜだろう。わたしもいいかげん根暗かもしれないな。わたしは高校時代に「性格を変えよう」と思って無理やり変えた突然変異のポジティブなので、何も考えないと人生は漠然とつらいだけになる。

あー。漠然としたつらさはもう充分だ。ちゃんと苦しみたい。そろそろ、性格の変え時かもしれないな。