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お帰りのうた

ほんとうにやさしくなりたい
ほんとうにやさしくなるためには、まっしぐらに考えぬくか
生まれてから一度も考えないかのどっちかしかない
わたしはもう考えてしまった
だから行きどまりまで行くしかない

寄り道してばかりだ
ほしいものなんて最初からすべてもっていた
これ以上どこに行くあてもない
どこに逃げたって同じ
でもわたしは、逢いに行かないといけないのだ

小学生のころ 早退が好きだった
ちがうな もう生まれてからずっと
早退のことばかり考えているような生き方だった
あの頃は、保健室の先生のことがすこし好きで
ちょっと味方だと思っていた
わたしは小学生をサボりたかった
嘘ばかりついて真昼の帰り道を歩いた
あのときのわたしに逢いに行かないといけないのだ
保健室の先生になって、痛いところがどこか、聞いてやらないといけないのだ
もうそれしかない
いや、それだけがある
それだけのために これからどこかへ行こうとしている