五月の行方

風景が緑色につつまれるようになってから、すっかり体の調子がいい。
土を踏みながら風の音を聞いていると、それだけで最高の気分になってしまい、
遅刻しそうで焦っていたことなんか忘れて、のんびり歩いちゃったりする。
些細なことに傷ついたり、理由のないことでわけもなく憂うつになることをやめたい。
肌にまとわりつくような暑い陽射しを、白い服ではね返して笑いたい。
つめたいソーダが飲みたい夕方、すれ違う少女達の夏服がまぶしい。
季節は夏に向かっている。