雪化粧

やっと雪が降ったから、用もないのにはしゃいでバスに乗った。

最近はバスに乗るのに飽きてしまっていたのだけど、雪景色はいい。

毎時毎秒、すがたを変えていくから、いつまでだって見ていたいと思うよ。

 

さっき手を、積もった雪にひっかけてしまったときに、

あまりにも雪がやわらかくてびっくりした。

はらったらすぐに指先で溶けて消えた。

そっか、雪ってこんな感触なんだっけ。

ほらね。やっぱり忘れていたよ。

どうしてこんなに忘れっぽいんだろうか。

冬はさむいことでいっぱいいっぱいで、

夏はあついことでいっぱいいっぱいで。

 

帰り道はキンキンにさむくて、今年になってはじめて耳が痛いと思ったけど、

これでいいんだ。

これは受け売りだけど、冬は夏に感謝して、夏は冬に感謝して生きたい。

だからいいんだ。さむくてもいい。

アスファルトも木々も、しろくてとても綺麗だよ。